みなさん、こんにちは。

つい先日、2023年が始まったと思っていたら、
桜が散り、黄砂で苦しみ、
そしてGW間近という悲劇でございます。

今年のゴールデンウイーク期間の診療時間のお知らせをいたします。
休診ばかりで申し訳ございません。
5月6日からは通常営業となりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

▮勤務時間でみる消化器内視鏡医としての現実

普段みなさまにお見せしているのは、宝塚ヒルズクリニックでの美容皮膚科医としてですが、
みなさまにお見せしたことのない消化器内科医としての顔も持っています。

消化器内科医として私が大事にしていることをみなさまにお伝えしたいと、今回のブログを書いています。
クリニック経営者としても、美容皮膚科医としても深く繋がっている考え方ですので、
美容ブログとは離れますが、お気軽に目を通していただければと思います。

今週1週間での美容皮膚科、消化器内科それぞれの累計勤務時間はざっとこんな感じです。

●宝塚ヒルズクリニック　13時間
●消化器内視鏡検査（複数病院）　32時間
（木曜夜勤、移動時間は除く）

思い付きで集計してみたのですが、衝撃的な結果に当の私自身がビックリしています。
今週は特に外勤が多くてクリニックを閉めている時間が短かったこともあったのですが、
外勤時間はさほど短くならないので、クリニックをどれだけ頑張ってもこの関係が逆転することはありません。

私の専門が消化器内科ということが、勤務時間から証明されたことになります。
実際は経営者としての業務やLINE返信などのクリニック外での事務作業が追加されるので、
拘束時間では逆転するのでしょうが。

▮内視鏡検査医として大切にしていること

もう一つの顔、消化器内視鏡医として、
私が普段心掛けていることがあります。

『内視鏡検査の三方良し』

これは私が考えついたことで、他の医師がどうかはわかりません。
三方良しの『三方』の対象は、
①　患者様に対して
②　病院（スタッフ含む）に対して
③　術者（私）にとって
となります。
それぞれ、解説いたします。

①　患者様に対して

できるだけ短時間で、
できるだけ少ない量の鎮静剤・鎮痛剤で検査後のダメージを少なく、
とにかく苦痛を少なく（苦痛のない検査を目指しますが）、
最大限の検査・治療結果を提供することを最大の目標として検査に臨んでいます。

麻酔を多く使えば痛くないので、評判を気にする先生は必要以上の量を使用します。
その代わり麻酔からの覚醒が悪く、長い時間病院で寝ていなければならないので、その日の行動が制限されることになります。
それでは、私たちの価値はありません。
出来るだけ少ない量の薬で、身体のダメージを抑え、かつ痛みを感じさせない検査を短時間で提供する。
それこそが私に求められていることなのです。

例えば専門にしている大腸内視鏡検査ですが、
若手研修医が1時間程度かかる仕事でも、腹部手術などによる癒着によって他院さんで挿入できなかった困難症例でも、
15分以内には検査が終われるようにしています。
手術例のない簡単な方であれば10分かかりません。

短時間だから雑で見逃しが多いとか思われるかもしれませんが決してそうではありません。
20年以上続けていますので老化が進んでいても内視鏡画面での動体視力は若手には負けません。
早い動作の中で瞬時に異常所見を見つけることが出来るようになります。
15分で最大限の結果を導けるように、20数年かけて鍛錬してきたのです。

「今回は楽だったわ」
「あら、もう終わったの？」
と言っていただけるのが内視鏡医としての最大の喜びです。

2019年5月　コロナ前

2023年4月　

②　病院・スタッフに対して

検査に付いてくれている看護師さんや検査技師さんとチームを組んで検査に当たります。
気持ちよく働いてもらえる場を提供するのも医師の大事な仕事です。

内視鏡検査では、毎日が自己鍛錬の場となります。
硬かったり、長かったり、細かったり、難しい大腸にたくさん出くわします。
心が乱れそうになることもありますが、いい緊張感を持ちながら敢えて心を落ち着かせ、心のバランスを保つよう心がけます。
終始周りにいるスタッフに見られていますし、医師の表情一つで場の雰囲気を変わります。
困難な時こそ温和な表情で場を和ませるようにしています。
そして、平常な精神状態によって検査を早く終えることにより、
患者さんのクレームも減り、相手をしてもらう看護師さんのストレス軽減にもつながりますし、
何より、早く仕事が終わるので嬉しいですよね。

病院にも損をさせません。
治療に必要な器具もその病院にあるもので何とかします。
最新の器具が欲しい時もありますが、病院の状況を把握し余計な出費を強いないようにしています。
ガーゼ1枚、潤滑ジェル1滴まで大事にします。
所定の時間に2倍、3倍の検査数をこなし、材料費も低額に抑えれば、病院の収益が上がるので院長先生にも喜んでもらえます。
雇い続けていただくには、人と同じことをしていてはいけません。
自分の存在価値を高めるために、1分1秒、無駄な1円を削る努力を日々行っています。

③　自分にとっての内視鏡検査

以上のように、
私が努力して最大限のパフォーマンスを発揮することによって、
患者様にも、病院にも、看護師さんに満足していただけることこそが、
私の大きな喜び、そして明日へのモチベーションとなって返ってくるのです。

もちろん、自分ではパーフェクトな出来とは言えなくても、周りのみなさまに喜んでいただければ“良し”となるわけですね。

私にとっての内視鏡とは、

内視鏡職人として日々鍛錬し内視鏡道を極めることにある

そんな感じでしょうか。

……………

今日は、たいそう偉そうでしたね。
お世話になっている病院の先生方、師匠、偉そうにごめんなさい。

とにかく、
私にとっての消化器内視鏡とは、
単なる検査・治療ではなく三方良しを実現するために生涯かけて追及していくべき“道”なのです。

そして、
宝塚ヒルズクリニックにおいても、“三方良し”は応用されています。
シン三方良し？？

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